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各センター・拠点・部門紹介

研究部門 Research Divisions

先端エネルギー変換研究部門 

概要

部門長

郡司 天博教授

GUNJI Takahiro

所属
創域理工学部 先端化学科
RIDAI

コメント

SDGsに基づいた効率的な新エネルギーシステムが切望されています。本部門では、化学・機械・システム工学などの専門家が一同に介し、それぞれのノウハウを持ち寄ることで、各要素技術を結集した分野融合的な研究を実現し、Only at TUSによるユニークなエネルギー創生・貯蔵・利用システムの開発と利用を目指します。

研究内容

Only at TUSによるエネルギー創生・変換・貯蔵・利用システムの開発と利用

研究目的

素材からシステムまで一貫した開発体制と相互連携により要素技術を集約し、SDGsに基づいた理科大オリジナルのエネルギーシステムを創製する。

今後の展開

新たな二次電池の実用化、新しい燃料電池システムの構築、効率的な熱電変換システムの構築、光を高効率に利用する新材料の開発、を目指します。

関連するSDGs

メンバー

氏名 職名 所属
郡司 天博 部門長・教授 創域理工学部先端化学科
有光 晃二 教授 創域理工学部先端化学科
板垣 昌幸 教授 創域理工学部先端化学科
井手本 康 教授 創域理工学部先端化学科
坂井 教郎 教授 創域理工学部先端化学科
寺島 千晶 教授 創域理工学部先端化学科
藤本 憲次郎 教授 創域理工学部先端化学科
湯浅 真 教授 創域理工学部先端化学科
堂脇 清志 教授 創域理工学部経営システム工学科
早瀬 仁則 教授 創域理工学部機械航空宇宙工学科
西原 寛 教授 総合研究院
北村 尚斗 准教授 創域理工学部先端化学科
近藤 剛史 准教授 創域理工学部先端化学科
酒井 健一 准教授 創域理工学部先端化学科
四反田 功 准教授 創域理工学部先端化学科
中山 泰生 准教授 創域理工学部先端化学科
片山 昇 准教授 創域理工学部電気電子情報工学科
秋本 順二 客員教授
辻村 清也 客員准教授

研究詳細

Only at TUSによるエネルギー創生・変換・貯蔵・利用システムの開発と利用

石油資源の枯渇や経済的な不安定性が叫ばれる昨今、効率的なエネルギーシステムの開発や高効率なエネルギーの利用と新エネルギーの開発が急務になっています。特に、石油の大部分を輸入に頼る我が国においてその傾向は顕著です。本学においても、これまでにエコシステム研究部門や先端ECデバイス研究部門において電気化学デバイスの開発と利用を検討しており、上市可能なデバイスを開発するに至っています。
また、国連が提唱する持続可能な開発目標(Sustainable Development Goals: SDGs)には17の世界的目標が掲げられており、これからの技術開発には不可欠な目標となっています。SDGsの中では、
7: すべての人々の、安価かつ信頼できる持続可能な近代的エネルギーへのアクセスを確保する
12: 持続可能な生産消費形態を確保する
が本部門に強く関連します。

本研究部門では、先端ECデバイス研究部門の精神と成果を引き継ぎつつ、電気化学デバイス、水素エネルギー、熱エネルギー、光エネルギーに特化して、エネルギー開発と利用・環境低負荷な利用を検討します。
本研究部門は、エネルギー変換およびエネルギー貯蔵の研究グループにより構成されます。エネルギー変換グループはエネルギーの創生や変換に係る技術や材料の開発を、エネルギー貯蔵グループはエネルギーの貯蔵や利用に係る技術や材料の開発を担当します。これらのグループは相互に連携することにより、エネルギーの創生・変換・貯蔵・利用に係るシステムの構築を目指します。また、先端エネルギーデバイスを開発するにあたり、本研究部門に属する教員が専攻や研究分野の枠を越えて互いに協力して現状の問題点を克服することにより、デバイス開発が加速されるとともに、教員相互の基礎知識レベルを向上し、加速度的な相互協力を引き出すことができると期待されます。

本研究部門に第一線級の教員が参加することにより、さまざまな分野で学界の最先端に位置する情報や技術が集積できるため、only at TUSに基づく、本学独自で本学ならではのオリジナリティの高い技術開発とノウハウの集積が期待されます。
また、本研究部門の特徴として、理工学研究科の横断型コースであるエネルギー・環境コースと協力を進めます。これらの新システムや新材料の開発には教員とともに学生の参加が不可欠です。次世代の科学技術を担う学生の教育研究を通じて技術や智恵を伝承し、エネルギー・環境コースの学生や教員との積極的な交流を図り、本研究部門の目的を早期に達成できるように企図しています。

研究テーマ

エネルギー変換グループ

エコシステム開発部門や先端ECデバイス研究部門の成果に基づいて、高効率で環境低負荷な有機合成プロセスの開発や高感度で高機能な光反応性高分子の開発を進めてきました。中でも、新しい触媒反応を開発することにより、高選択的にカルボニル基をメチレンに還元する反応や、酸素以外の元素を含む有機化合物への応用を目指します。また、光と熱に反応する高分子材料を設計することにより、複数のエネルギーに感応する高分子材料の開発を目指します。さらに、コンビナトリアル法による高速合成と高速物性評価を推進します。

バイオ水素の創生とその利用を提案することを目指します。これはSDGsの「12: 持続可能な生産消費形態を確保する」に関連し、ライフサイクルアセスメント(life-cycle assessment: LCA)に基づいた開発を進めます。廃木材などを原料として水素を生成し、その高純度化、貯蔵、燃料電池による発電、キャパシタへ充電するシステムを構築し、LCAを評価します。

一方、小型かつウェアラブルなバイオ燃料電池では、紙および転写シートを利用した印刷型ウェアラブルバイオ燃料電池の開発と利用を進めます。発汗中の乳酸をモニタリングできる燃料電池は、アスリートの健康管理に利用できます。ウェアラブルなデバイスの開発には、印刷型ペーパーデバイスの開発、酵素に適したメソ孔を有する炭素材料の開発を行います。

固体高分子形燃料電池の開発では、安定かつ高出力化が可能な電極材料として導電性ダイヤモンド触媒担体へ担持した金属錯体原料の電極触媒の開発を行います。

エネルギー貯蔵グループ

リチウム電池に替わる高容量で高効率な電池として、1族以外の金属を使った電池の開発と利用を目指します。また、リチウムイオン電池の用途の多様化に対応するため、原子からマイクロレベルで構造制御された高容量電極の作製に加えて、高速マテリアルスクリーニングとデバイス指向型の評価・解析を実施し、材料の最適化と新たなデバイスの開発を目指します。

また、実験と計算化学を併用した原子配列モデリングに基づくマテリアルスクリーニングにより材料探索を行います。さらに、種々の作動条件下における電池特性の劣化機構を、電気化学特性の評価と、量子ビームを用いた原子・電子レベルの解析で、エネルギー変換部門と協力して検討します。評価・解析結果を材料探索にフィードバックし、使用目的および作動条件に応じたデバイス設計を提案します。