JP EN

各センター・拠点・部門紹介

研究センター Research Centers

ウォーターフロンティア研究センター

概要

センター長

元祐 昌廣教授

MOTOSUKE Masahiro

所属
工学部 機械工学科
RIDAI

コメント

水は我々の身の回りに存在する最も身近な物質のひとつでありながら、未解明な部分が多い不思議さを秘めています。本センターでは、水と物質表面が強い相互作用を示す「水界面」における学術研究を推進していくとともに産業界に向けたソリューション提供を行う、世界唯一の研究拠点の形成を目指します。

研究内容

物質と水との接点である「水界面」研究に特化した国際的コア研究拠点

研究目的

本研究センターでは、物質・材料表面と水との接点である「水界面」について、分野の垣根を越えた最先端研究により、学理探求と制御則を見出すことを目的とします。

今後の展開

学内外・国内外の研究者との連携の強化とともに、産業界との共同研究を進め、水研究のワンストップサービスを提供する研究拠点の形成を目指します。

関連するSDGs

メンバー

詳細はこちら
氏名 職名 所属
元祐 昌廣 センター長・教授 工学部機械工学科
山本 貴博 副センター長・教授 理学部第一部物理学科
酒井 健一 副センター長・教授 創域理工学部先端化学科
由井 宏治 副センター長・教授 理学部第一部化学科
田所 誠 教授 理学部第一部化学科
大塚 英典 教授 理学部第一部応用化学科
徳永 英司 教授 理学部第一部物理学科
三浦 和彦 教授 理学部第一部物理学科
佐々木 信也 教授 工学部機械工学科
山本 誠 教授 工学部機械工学科
住野 豊 教授 先進工学部物理工学科
勝又 健一 教授 先進工学部マテリアル創成工学科
酒井 秀樹 教授 創域理工学部先端化学科
上野 一郎 教授 創域理工学部機械航空宇宙工学科
塚原 隆裕 教授 創域理工学部機械航空宇宙工学科
安藤 格士 准教授 先進工学部電子システム工学科
四反田 功 准教授 創域理工学部先端化学科
市川 賀康 助教 工学部機械工学科
藤村 宗一郎 助教 工学部機械工学科
本間 芳和 客員教授  
加藤 幸一郎 客員准教授  
山口 康隆 客員准教授  
川田 将平 客員准教授  
大澤 重仁 客員准教授  
荒木 優希 客員研究員  
森 樹大 客員研究員  
山本 憲 客員研究員  
黒瀬 築 客員研究員  
渡辺 尚貴 客員研究員  
赤松 允顕 客員研究員  
町田 慎悟 客員研究員  
真部 研吾 客員研究員  

研究詳細

物質と水との接点「水界面」の最先端研究に特化した国際的コア研究拠点

センター設立の背景

「水」は、生命活動の基盤を形成する重要な物質であり、人間を含めたほとんどの生命体は水の恩恵なしに生きていくことはできません。酸素や養分、老廃物の輸送媒体や、細胞や組織内部の構造化と維持を担うなど様々な機能を有しております。また、各種の生活・産業分野においても、飲用、洗浄や浸漬、塗布などの多くの工程において不可欠であり、有史上最も長く頻繁に利用されてきた物質といっても過言ではありません。しかしながら、その性質や機能については未解明な部分が多く、なかでも、物質表面と水の相互作用が強く関わる「水界面」については特に理解と制御が難しい領域です(図1)。

この課題に取り組むために、2016 年11 月〜2021 年3 月まで、ウォーターフロンティアサイエンス& テクノロジー研究センター(Water Frontier Science & Technology Research Center、W-FST)が設立され、活発な研究活動を行ってきました。この活動を通じ、物質や材料表面の特性や機能発現に決定的な役割を果たす水の研究が非常に重要で、特に産業界からのニーズが高く、発展的に継続すべきであるという結論に至り、改組を行い、2021 年4月にウォーターフロンティア研究センター(Water Frontier Research Center、WaTUS『読み:ウォータス』)を設置し、さらなる研究活動の推進を行っております。本センターのロゴ(図2)では、水分子と連続体、異相界面を包含して「水」を表現しています。

図1 原子・分子スケールからマクロスケールにわたる「水界面」が関わる現象とその応用
図2 ウォーターフロンティア研究センター(WaTUS)のロゴ

センターの活動戦略

本センターでは、分野横断型の研究体制の下、活動のフィールドとして、
(i) 水界面に関する学術研究のさらなる深化
(ii) 国際的コア研究拠点の形成
(iii) 産業界とともに問題解決を目指す水研究のワンストップサービスの確立
(iv) 水研究を通じた理科大の可視化

の4 項目について重点的に活動を展開しております(図3)。
「水界面」に関する最先端研究を遂行しながら世界随一の研究拠点を形成していくためには、本センターは国内外の学術界における研究者が集う場であることはもちろんですが、それだけでなく、産業社会が抱える様々な課題にソリューションを提供する、問題解決型の研究組織として確固たる存在感を出していくことも必要であると考えています。そのためには、センターに関わる研究者達が一丸となり、学術研究や基礎研究の推進に加えて、企業との連携を強化していくことが重要です。

図3 本研究センターの活動戦略

センターにおける研究体制

本センターでは、「水界面」の研究を進めるために、従来の学問領域の垣根を超えた学際的な共同研究を推進します。そのために、研究アプローチとして、材料生成、計測分析、理論解析、の3 項目、そして、研究ターゲットとして、物質と水、生命と水、環境と水、の3 項目が有機的に絡み合う3 × 3 方式のマトリックス型の研究ユニットを編成する点が特徴的です(図4)。このマトリックス型の編成では、機能性材料を創生する研究者、高度な計測・分析技術を開発する研究者、理論解析やシミュレーションを専門とする研究者が三位一体で共同研究を実施し、各研究ターゲットに取り組む体制となっています。各々が自身の得意分野を活かしながら連携を深めることで、シナジー効果を生み出すことがその狙いです。また、各メンバーが所属するユニットは便宜的なものですので、その枠に囚われることなく自由に連携し合いながら、水界面の研究を進めていきます。

物質と水

物質・材料サイドから水との関わりを意識した研究開発を進める。主としてマテリアル研究を核とする。

生命と水

水と人や医療との関わりを意識した研究開発を進める。バイオ分析、生体医工学、医療貢献を志向する。

環境と水

人間社会を取り巻く環境と水との関わりを意識した研究開発を進める。地球科学、省エネルギー技術開発などを対象とする。

また、研究活動のアウトプットや研究者間の交流を図るため、ウォーターフロンティアシンポジウムやイブニングセミナーなどのイベントも開催しております。

図4 マトリックス型の編成とそれを支えるセンターの運営体制