再生医療を加速するための「超細胞」とDDSの開発研究西川 元也創薬・バイオ【超細胞・DDS開発グループ】⻄川元也・板倉祥⼦薬・薬学超細胞開発⼭下親正・秋⽥智后薬・⽣命創薬科学脳DDS・肺再⽣DDS⽵内⼀成城⻄国際⼤学経⽪DDS【細胞機能制御システム開発グループ】菊池明彦先進⼯・マテリアル創成⼯学再⽣医療・細胞制御素材開発秋⼭好嗣教養教育研究院バイオマテリアル開発【物性制御・評価グループ】後藤了・槌⽥智裕薬・薬学細胞システム物性評価⼤島広⾏薬細胞システム界⾯科学【細胞・臓器再⽣グループ】早⽥匡芳薬・⽣命創薬科学⾻再⽣・オルガノイド開発伊豫⽥拓也⼭⼝東京理科⼤学免疫機能制御礒濱洋⼀郎・村上⼀仁薬・薬学臓器機能評価・臓器再⽣花輪剛久・廣瀬⾹織薬・薬学細胞制御基剤開発草森浩輔薬・⽣命創薬科学超細胞開発⼤塚英典理・応⽤化学機能分⼦創成上杉志成京都⼤学⾃⼰集合分⼦開発⿃越秀峰理・応⽤化学相互作⽤解析⼟⾕智史富⼭⼤学肺再⽣Tokyo University of Science 本研究部門設立に至る経緯・背景 本研究部門の目的・目標 本研究部門の構成メンバー・部門における役割makiya@rs.tus.ac.jpDivisionofSuperiorCellsandDDSDevelopmentforRegenerativeMedicine 東京理科大学では、早くからドラッグデリバリーシステム(DDS)に関する研究が進められてきました。本研究部門は、2003 年に総合研究所内に設置された「DDS 研究部門」に端を発します。その後、2015 年からは「再生医療と DDS の融合研究部門」として、再生医療を視野に入れた研究と、難治性疾患に対する薬物療法の高度化を目指す DDS 開発が行われてきました。これらの研究活動を基盤に、東京理科大学における DDS 研究の伝統をさらに発展させるとともに、近年急速に進展している再生医療・細胞治療分野を指向した新たな研究展開を目的として、2020 年度に「再生医療を加速する超細胞・DDS 開発研究懇談会」を立ち上げ、2021 年 4 月より本研究部門としての活動を開始しました。 本研究部門は、再生医療の加速を目的とし、治療目的で生体に投与される細胞の高機能化による「超細胞(superior cell)」の開発と、細胞を含む各種機能性分子の体内動態を精密に制御する DDS 技術の創出を目標としています。標的とする疾患領域としては、呼吸器、脳、免疫、がん、骨などを想定し、これらの疾患に対する新規治療法の開発につなげることも視野に入れています。 本研究部門では、以下の4つの研究グループが相互に連携し、再生医療を加速する超細胞および DDS 技術の開発を推進します。 本グループでは、細胞や各種生理活性物質の体内動態制御を目的としたDDS の開発に加え、超細胞の設計および開発を行います。具体的には、細胞への新機能の付加、細胞スフェロイドやオルガノイドの構築、エクソソームに代表される細胞外小胞や細胞小器官の利用といった多角的なアプローチにより、既存の細胞機能を凌駕する「超細胞」の創出を目指します。また、開発した DDS 技術を超細胞に適用し、疾患モデル動物などを用いた評価により、その有用性を検証します。 本グループでは、細胞機能を制御するための新規分子の創製や、再生医療および細胞治療を補助する多様な機能性新素材の開発に取り組みます。開発された分子・素材は他のグループに供出され、その評価結果をもとに、より高機能な分子・素材の再設計・改良を進めます。17設立2021年4月再生医療の加速を目的として、疾患治療目的で生体に投与される細胞を高機能化することで「超細胞」を開発するとともに、細胞をはじめとする各種機能性分子の体内動態を精密に制御可能な DDS を開発する専門性の異なる研究者が参集し、共通目標に向けた共同研究の推進により、「超細胞」をキーワードとする他に類を見ない新たな研究領域を創出する研究部門長 薬学部薬学科 教授MakiyaNishikawa 本グループは、超細胞・DDS 開発グループおよび細胞機能制御システム開発グループで開発される各種機能性分子や素材の物性評価を担当します。評価によって得られた情報は各グループへフィードバックされ、超細胞およびDDS の機能最適化を支援します。 本グループでは、肺や骨などを対象に臓器再生のメカニズム解明および治療への応用を進めます。また、超細胞や DDS を適用した際の免疫系との相互作用の解明も行い、治療戦略の最適化に貢献します。 図1に、各グループの構成メンバーおよび役割を示します。これらのグループが有機的に連携することで、本学における DDS 研究の研究資産を継承しつつ、新たな段階の共同研究へと発展させることを目的に、再生医療を加速する超細胞・DDS 開発研究を推進します。図1 部門を構成する研究グループの構成メンバーと部門における役割目的今後の展開細胞を利用した疾患治療は、「適切な部位に、適切な量、適切な時間作用させる」というドラッグデリバリーシステム(DDS)の概念を、患者に投与する細胞に適用することで、その研究開発が加速できると考えます。本部門では、細胞機能を飛躍的に高めた「超細胞」と、その機能を最大限に引き出す DDS の開発を目指します。(1)超細胞・DDS 開発グループ(2)細胞機能制御システム開発グループ(3)物性制御・評価グループ(4)細胞・臓器再生グループ再生医療を加速する超細胞・DDS 開発研究部門
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