持続社会を実現する大学発の医療福祉・生活支援技術やエネルギー技術を製品化します【株式会社 Beyond Optical Technologies】 竹村裕が 2024 年 11 月に創業。東京理科大学発ベンチャー企業として認定。研究成果を広く社会還元すべく設立。竹村らの研究グループが世界に先駆けて開発した近赤外ハイパースペクトラルイメージング内視鏡技術を駆使し、これまで人の目では捉えられなかった深部組織や異物を非破壊で検査・可視化を実現。この革新的な技術は、医療や産業の現場に新たな価値を提供し、非破壊検査技術を通じて、安心・安全な未来を実現することを目指す。同社は、光学技術を活用し、狭所や 1mm 角の対象物から 1m 程度の構造物まで、幅広い環境・対象に対して可視光・近赤外ハイパースペクトラルイメージングによる非破壊検査・画像解析を可能にする装置・技術を提供し、幅広い応用分野が期待される(図1)。 車いす対応キッチン、リビング・ダイニング、寝室、浴室、トイレ、階段など実際に使うことができる一通りの住環境を備えた生活模擬実験室。モーションキャプチャ装置なども設置し、本部門メンバーの研究(生活動作の計測、生活支援ロボットの動作検証など)のための共用設備として活用が進んでいる。また、産学連携(開発された介護ロボットの検証・アドバイス)、教育(デザイン思考入門などの実習系授業)などでも活用されている(図2)。 小林、橋本、竹村、荒井、林、早川、和田、永野が参画している。2023 年度から 5 年間で約 10 億円のプロジェクト(担当部分)で、スクラップヤードに積み上げられた小型廃家電を対象に、全自動の自走式装置を使った廃家電のピックアップから家電の分類と資源の回収までを全自動で行う装置の開発を行っている。これまでのところスケジュール通りに進捗しており、高評価を受けている(図3)。小林 宏DivisionofImplementationofSustainableTechnologyinSociety 本部門は、実用性と具現化を強く意識し、論文に留まらず、新しい市場を切り開く新価値を生み出す技術の製品化を目的とする。そのため、分担者が持つ要素技術を組み合わせ、外部機関と積極的に連携し、出口としての具体的なアプリケーションを意識した協業的研究開発を行っていく。その結果として製品化やスタートアップ創業なども行い、大学発の新技術の積極的な社会展開を行っていく。 これまでに、スタートアップ創業、製品化、特許出願は毎年行っており、また、NEDO の「高効率な資源循環システムを構築するためのリサイクル技術の研究開発事業」に採択され、研究開発を推進している。さらに、生活模擬実験室:リビングラボの環境を整え、組織横断の共通施設としての利用も開始している。 これまでに 2023 年度は株式会社 CoreHealth を、2024 年度は株式会社 Beyond Optical Technologies を創業し、大学発スタートアップ企業として認定されている。【株式会社 CoreHealth】 小林宏が 2023 年 9 月に創業。2013 年に同じく小林が創業した大学認定スタートアップ株式会社イノフィスが販売している腰部補助装置:マッスルスーツは、アシスト装置として世界 22 か国で販売されている。一方、マッスルスーツは、装着して1分程度の動作をするだけで、股関節の可動域を広げ、骨盤の傾きを矯正し、胸郭を開き、結果として姿勢が良くなり、歩きやすくなるなどの顕著な効果があることや、簡単には強化できないインナーマッスルを鍛えられることなど、「ヘルスケア」に使用できる。株式会社 CoreHealth は、このようなマッスルスーツでしかできないヘルスケアの普及を目指しており、2025 年 6 月現在、全国9か所の施設で 18 台が使用されている。図 1 近赤外ハイパースペクトラルイメージング13hiroshi@kobalab.com設立2023年4月持続社会を実現するための具体的なソリューションを、物を作ることで提供することを目的としています。試作、実証検証、耐久試験、製品化・上市を行い、新規市場を切り開き、本学のロールモデルを目指しますNEDO の PJ の推進、リビングラボの共同利用、1新製品の上市/年、1スタートアップ創業/年、特許出願3件/年、を目指します研究部門長工学部機械工学科 教授HiroshiKobayashi図 3 小型廃家電全自動識別車両図 2 リビングラボ目的今後の展開構造材料・機械・流体・建築Tokyo University of Science 社会実装を第一の目標に スタートアップ創業 リビングラボ NEDO:「高効率な資源循環システムを構築するためのリサイクル技術の研究開発事業」エンジニアリングの本懐は、「役に立つものを作ること」です。大学発の成果は、論文で知見を公表し、学識者としての論評をすることが主ですが、エンジニアリングにおいては社会実装すること、つまり、物として実装し、「見届ける」ことまでやるべきだと考えています。本部門は、そのロールモデルを目指します。 サステナブル技術社会実装研究部門
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