2024-2025_総合研究院パンフレット(和文)
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 本研究部門では、以下の4つ領域における研究を進めていきます。これらそれぞれの領域において、企業や自治体が実際に直面している「やっかいな問題」を扱うことで、期間内に積極的に産学連携共同研究プロジェクトを実施していきます。また、研究成果を学術研究として発表するだけでなく、積極的に社会実装することを当初から明確に志向することで、実務的・実践的な貢献をすることを目指します。【理論】アジア型デザイン思考方法論開発米国型および北欧型デザイン思考の方法論を批判的にレビューし、アジア地域の外部研究機関と密接に連携することで、米国型でも北欧型でもない、アジア発の独自のデザイン思考方法論の開発を目指します。【応用1】サービスデザイン人間や集団に対する様々なサービスやビジネスを開発する際に求められるデザイン思考の方法論の検証と、具体的な問題解決の効果検証をおこないます。特に、a) 医療(対患者)コミュニケーション、b) DXソリューション、c)教育サービスに注力します。【応用2】プロダクト・環境デザイン人の協働の場としての地域コミュニティやオフィス空間などにおける人や組織の活動、並びにそれらを支援するプロダクトの開発と導入を通じたイノベーション創出のためのアプローチの有効性を検証します。【応用3】ポリシー・エコシステムデザイン協働によるイノベーション創出に必要な合意形成と意思決定のプロセスとポリシーを構築・整備するための方法論としてのデザイン思考の有効性を検証します。特に、起業家支援と行政政策問題を扱います。DivisionofCo-creativeDesignInnovationResearch 本研究部門は、現時点においてその定義や対象ドメインが必ずしもクリアになっていないデザイン思考の方法論を、米国型ないしは欧州型のデザイン思考方法論を単に輸入するアプローチではなく、日本を含むアジアの課題を解決するための、アジア特有の視座と文化性を取り入れた方法論を開発することを目指しています。 そのためには、そもそも「日本的・アジア的な課題」や「日本的・アジア的なアプローチ」とは何なのかを考察・整理するところから始めなければならず、社会科学アプローチと工学アプローチを融合させた研究推進、並びにアジア地域の国際研究拠点との連携が重要になります。本研究部門は、国内のデザイン思考をベースにした教育研究をリードすべく本学に新設された2学科(経営学部国際デザイン経営学科と先進工学部機能デザイン工学科)に所属する研究者が中心となり、既に各種の連携をスタートさせている国外の連携研究機関・研究者との連携をさらに深めることで、「アジア発のデザイン思考方法論」の構築をおこないその成果を積極的に国内外に発信していく予定です。 本研究部門の活動の核のひとつとして、現在アジアでのデザイン研究のハブとなりさまざまな研究活動を精力的に推進しているシンガポール工科デザイン大学(Singapore University of Technology and Design)と緊密に連携していきます。シンガポール工科デザイン大学は、2024年5月に、世界の12のデザインスクールとの連携と今後の研究計画を発表し、本学もその一員と参画しています。今後、この連携を通じてさまざまな共同研究プロジェクトを進めながら、設置期間内に共同で国際シンポジウムを開催することを計画しています。目的今後の展開本研究部門は、研究成果の発表や出版を目指しつつ、特に緊密に連携するシンガポール図 本研究部門の位置づけ設立2024年4月本研究部門は、アジア発の共創的(Co-creative)デザイン思考アプローチを用いた問題解決とイノベーションの方法論を新たに生み出すことを目的にしています工科デザイン大学と共同で国際シンポジウムを開催する予定ですmasao.kakihara@rs.tus.ac.jp写真 シンガポール工科デザイン大学研究部門長経営学部国際デザイン経営学科 教授MasaoKakihara23東京理科大学におけるデザイン研究のハブとなるべく、2024年からスタートした研究部門です。本学から世界に向けたデザイン思考の理論や実践フレームワークを提案することを目指しています。アジア発の共創型デザイン思考アプローチの理論化とその実践的応用柿原 正郎 目的 シンガポール工科デザイン大学との連携 研究領域共創型デザインイノベーション研究部門

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