2023-2024_総合研究院パンフレット(和文)
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本部門は、複合材料を軸にした研究を横断的に進めることができる教員が集結し、高度な実験・解析環境を整えています。また、積極的に学外の産官学との連携も推進しています。ご興味がございましたら、お気軽に部門長までご連絡ください。Division of Composite Materials Engineering 複合材料工学研究部門は、材料・構造について広範な知識を持つメンバーが集まり、複合材料の研究を推進しています。複合材料はこれまで主に航空宇宙分野で使用されてきましたが、近年では自動車産業における採用も増え、さらに将来的には飛翔型モビリティへの適用拡大も期待されています(図1)。このような新しい産業分野で複合材料を活用するためには、CFRP特有の新しい設計、評価、成形方法が必要とされています。本部門では、特にシミュレーション技術と新しい成形方法に焦点を当てて研究を進めています。 シミュレーション技術については、原子・分子レベルの材料シミュレーションから、構造レベルの破壊解析までを手がけ、実験的検証と並行して研究を行っています。近年のコンピュータの性能向上に伴い、数値解析は重要なツールとなり、我々もその恩恵を受けて研究を進めています。図1  複合材料工学の発展により個人飛翔型モビリティが一般的となると期待目的今後の展開しています設立2023年4月複合材料を中心に、成形プロセス、破壊力学、材料科学、数値シミュレーションなど、さまざまな専門分野のエキスパートが連携し、迅速な技術開発を目指します大学内での基礎研究の成果をシーズとして、産業界と連携し応用展開を進める研究開発拠点を目指しています rmatsuza@rs.tus.ac.jp研究部門長創域理工学部機械航空宇宙工学科 教授Ryosuke Matsuzaki11 また、新しい成形方法としては、複合材料の3Dプリンティングに注力しています(図2)。従来の複合材料成形は、熟練職人のノウハウと金型に依存しており、その結果多品種生産が困難でした。一方、一般的な熱可塑性樹脂積層3Dプリンターは、樹脂の力学的特性が低く、航空宇宙・自動車用途製品レベルの構造を作製するのが難しい問題がありました。しかし、近年の「炭素繊維複合材料3Dプリンター」の研究進展により、これらの問題が解決し、自動車・航空宇宙用途の高強度立体造形が可能になってきています。本部門では、炭素繊維複合材料3Dプリンターに適用可能な新しい最適設計法、3Dプリントによる成形のメカニズムの理解、機能化付与などについて研究を進めています。 当部門は産学連携を重視し、産業界のニーズに対応するための委託・共同研究のパートナーとしての役割を果たしています。また、複合材料の技術者を育成することにも注力しています。研究を通じて身につけた即戦力な技術者が産業界に多数輩出されることで、本学と産業界の間にシナジー効果を生み出すことを目指しています。我々の研究部門、産学の強固な連携を基盤として教育と研究活動を行うことを特徴しています。図2  複合材料3Dプリンティングによるハニカム構造の造形松崎 亮介CFRPなどの軽量高強度な複合材料について、基礎から応用まで幅広く研究しています。複合材料工学研究部門

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